労働紛争のやりがい
- orita90
- 5月11日
- 読了時間: 4分
今回は、私が2011年に弁護士業を始めて以来、専門分野の一つとしている労働案件についてコラムを書いてみようと思います。
1. 「仕事」と「経営」の交差点に立つ
労働紛争は、単なる法律上の対立ではなく、会社の文化・経営判断と、従業員の人生や価値観が交わる非常に繊細な領域です。私は現在、企業側の労働トラブルを多く扱っていますが、その中には、組織の未来を左右するような本質的な課題が潜んでいると日々感じています。
「法的に正しい」だけでは乗り越えられない壁に対して、どのように向き合い、どのように収めていくか。そのプロセスには、単なる代理人を超えた、“企業のパートナー”としてのやりがいがあります。
2. 両方の視点を知っているからこその強み
私はこれまで、労働者側・使用者側のどちらの立場からも多くの案件を経験してきました。その経験が、今の企業法務に確かな厚みを与えてくれています。
「どこで感情が動き、どこで理屈が通じなくなるのか」――労働者側の心理も肌で知っているからこそ、企業側の防衛策も、より実務に即したものになるのです。
使用者側に偏りすぎず、しかし従業員側の思考も踏まえながら、組織として“合理性と納得感”のある判断ができるよう導く。そのバランス感覚が、ご紹介を多くいただいている理由のひとつかもしれません。
3. 解決とは、信頼と秩序を取り戻すこと
労働紛争において、法的な勝ち負け以上に大切なのは、「組織の信頼と秩序をどう回復するか」です。ときには法的に強く出る判断も必要ですが、同時に、その後の職場の空気や組織の文化をどう整えるかも問われます。
だから私は、「着地のあり方」にこだわります。感情的にぶつかるのではなく、誠実かつ戦略的に対応しながら、“誰のために、なぜこの解決が必要なのか”を、常に問い続けています。
4. 社労士としての視点が活きるとき
弁護士であると同時に社会保険労務士でもある私は、企業の内側からトラブルを未然に防ぐ仕組みづくりにも力を入れています。
就業規則や人事制度の設計、処分ルールの整備、社内調査の体制づくり。事後的な対応ではなく、「紛争が起きない仕組みをつくる」ためのサポートこそが、真の意味で企業を守ると考えています。
実際、私の関与により労働紛争の“芽”が早期に摘まれ、トラブルを回避できたケースも少なくありません。企業の現場に寄り添いながら、法と運用の橋渡しをする――その瞬間に、大きなやりがいを感じます。
5. なぜ、会社側のご相談が増え続けているのか
ありがたいことに、ここ数年、企業からの労務相談や顧問契約のご紹介が増え続けています。「労働トラブルに強いだけでなく、現場目線で話が通じる」「経営の視点を踏まえて提案してくれる」そう言っていただけるのは、法的知識だけでなく、実務感覚と調整力を重視しているからだと感じています。
また当法人には、労働案件に特化したエキスパート弁護士が多数在籍しており、それぞれが、企業法務や人事労務の現場に深く関与しながら、日々研鑽を積んでいます。そして実務を通じて培ってきた視点や対応ノウハウを、互いに所内で共有・指導してきたことで、現在のチーム体制が整いました。
個人の力だけでなく、組織として労働案件に強い体制がある――だからこそ、スピード・正確性・安心感のある対応ができると自負しています。
企業が安心して経営に集中できる環境を整えること。そのために、私たちはこれからも一丸となって取り組んでまいります。
ここまで読んでくださったあなたは、すでに「人と組織の問題」に対して真摯に向き合おうとしている方かもしれません。労働問題は、たった一つの判断で組織の雰囲気が変わる、極めて繊細で重要なテーマです。
だからこそ、私は企業の皆さまと共に、より良い職場環境をつくっていけるパートナーでありたいと思っています。また次回も、あなたの大切な時間を少しだけお借りできたら嬉しいです。ありがとうございました。
なお人事労務分野についての詳しいサイトはこちらになります。





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